例えばイチゴには乾燥重量100g中に300mgほどのキシリトールが含まれています。ですが、むし歯予防に効果的な量(1日約5~10g)には満たないので、むし歯予防のためにはガムなどを活用するのがおすすめです。
(日本フィンランドむし歯予防研究会より引用)
6-2.キシリトールの甘さはお砂糖とほぼ同じ
キシリトールの甘さはお砂糖とほぼ同じですが、カロリーはお砂糖の75%程度です。(お砂糖は1gあたり4Kcalに対し、キシリトールは1gあたり2.8Kcal)
6-3.キシリトールは炭水化物の一種
キシリトールは糖アルコールと呼ばれる炭水化物の一種です。
他には糖アルコールの仲間として、ソルビトール、マンニトール、マルチトールなどがあり、これらも多くの食品に用いられています。
6-4.世界各国の長期研究でむし歯の予防効果が認められています
世界で最初の研究は1975年にすでに発表されており、その後も日本を含めて多くの研究結果が報告されています。
赤ちゃんが生まれる前、もしくは生まれてすぐに、お母さんがキシリトールガムを噛むことが、子どものむし歯を防ぐ事も証明されています。
キシリトールのように、数多くの長期にわたる研究で、むし歯の予防効果があると認められた甘味料は他にありません。
7.キシリトールの効果
キシリトールはむし歯の原因にならないだけでなく、むし歯の発生や進行を防ぐ効果があります。
7-1.だ液分泌の促進
キシリトールはお砂糖と同じくらい甘いため、口の中に入れると味覚が刺激されだ液の分泌が促進されます。
だ液が分泌されることにより、歯の再石灰化の促進に繋がり、歯の修復や成熟を助けます。
7-2.むし歯の原因にならない
マルチトールやソルビトールなどの糖アルコールはお口の中で若干「酸」を産生しますが、キシリトールはむし歯菌が代謝できないため、お口の中でまったく「酸」が作られません。
さらに酸の中和を促進する働きも持っています。
7-3.ミュータンス菌の活動を弱める
むし歯の原因菌であるミュータンス菌はキシリトールを代謝することができないので、酸やプラークの元(不溶性グルカン)を作ることができません。
しかし、ミュータンス菌はキシリトールを取り込んで代謝しようとし続けるので、エネルギーを得ることができず、ミュータンス菌自体が弱ってくると考えられています。
7-4.プラークの質の変化
ミュータンス菌の活動が弱まることでプラーク量が減少し、プラーク自体がサラサラになって歯の表面からはがれやすくなります。
プラークが剥がれやすくなることでブラッシングの効果が上がり、歯磨きがラクになります。
8.よくある質問
8-1.摂取量の上限はあるの?
キシリトールは1日の摂取量に制限を与えない食品として扱われています。
日本では1997年4月に、厚生省(現厚生労働省)がキシリトールを食品添加物として使用することを許可しました。実はそれ以前から、キシリトールは輸液(点滴剤)に含まれる炭水化物として10年以上使用されてきました。キシリトールは、体の中に入れる薬品としても、口から食べる食品添加物としても安全であることがわかっています。
8-2.誤って飲み込んでしまったら・・・
大丈夫です。
ガムは、胃や腸等の体内で消化吸収されず、便と一緒に排出されます。キシリトール以外のガムを飲み込んだ時と同様ですので、安心してください。
8-3.たくさん取りすぎると下痢する?
個人差はありますが、おなかがゆるくなる方もいます。
キシリトールは食物繊維と同じで、消化・吸収がされにくいため、腸内の水分が増える事によって下痢が起こると言われています。この現象は一過性のもので体に害はありません。
8-4.キシリトールで歯磨きの代わりになりますか?
キシリトールを摂ることでむし歯になりにくいお口の環境にすることができますが、キシリトールを食べることが歯磨きの代わりにはなりません。
9.キシリトールはあくまでも補助的に使う
むし歯予防には、まずはこれらの4つの基本が大切です。
それは、1歯磨き、2フッ化物の応用、3正しい食生活、4定期健診です。
キシリトールはこれらのどれかの代わりにはなることはできないですが、それぞれのむし歯予防効果をより高めることができます。
このクローバーのイラストはフィンランドの保健センターに貼られているものですが、クローバーの葉っぱの部分は、むし歯予防の4つの基本を表しています。
そしてキシリトールは茎の部分の役割にあたります。
それぞれの葉っぱを大きくするためには、茎の部分も大切な要素です。
キシリトールをうまく活用して、むし歯予防効果を高めましょう。
(日本フィンランドむし歯予防研究会より引用)
まとめ
キシリトールは歯に良いことはなんとなくご存知な方も多いと思います。
キシリトールを効果的に活用するためにも、キシリトールの正しい知識と、活用方法を知り、楽しく美味しく、虫歯予防を習慣化してみてください。
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