知っておくべき!歯の詰め物(インレー)の種類や特徴

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小さな虫歯を削った後の詰め物(インレー)の素材をどれにすればいいか迷う方も多いのではないでしょうか。

歯の詰め物の素材には金属で作られたものや、レジン(プラスチック)で作られたもの、セラミック(陶器)で作られたものなど様々な種類があり、見た目以外にも強度や歯の寿命への影響などにも差があります。
また、費用も保険診療と自由診療になるもので異なります。

今回は、歯の詰め物(インレー)の種類とその特徴について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

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1.歯の詰め物(インレー)とは

虫歯治療で行う詰め物のこと。

虫歯を含む歯を適した形に削り型取りをし、それに適合する形態の修復物を作製して、それをセメントで固着するもの。

基本的には小臼歯~大臼歯と呼ばれる咬合面を含むもので、前歯などではダイレクトボンディング(奥歯の臼歯と呼ばれる歯には咬む力が強くかかるため)が行われます。

一般的には強度のある金属が使われるが、セラミックセメントの材質向上により白いものでもできるようになりました。

ダイレクトボンディングについて詳しくは、「1日で前歯のすきっ歯や虫歯を治す!ダイレクトボンディング」をご覧ください。

2.歯の詰め物(インレー)の種類

詰め物の材質はさまざまな種類があり、保険診療、自費診療によって異なります。

2-1.保険の詰め物

2-1-1.銀の詰め物(メタルインレー)

保険診療による詰め物の大部分を占めているもので、12%の金含有の金銀パラジウム合金を使用したもの(銀50%以上含有、他パラジウム、亜鉛、銅などの合金)。

費用は公的保険適応3割負担で約1500円~3000円ぐらいです。

虫歯を含む歯を削り、形成、型取りをして、その後修復物をセメントで固着するため2回かかります。

費用は安価ですむ半面、口を開けた時に銀歯が見えてしまうなど審美的な問題、歯との硬さの違いにより、歯との間に隙間が生じ、2次カリエス(治療後の虫歯)の危険性、長期的にさびて金属イオンが溶出し金属アレルギーなどの原因になることがあります。

2-1-2.レジンインレー

合成樹脂の一種で白い詰め物。

磨り減りやすく、割れやすいため、近年では型取りをして修復物を固着するという間接的治療は行わず、適応に応じてダイレクトボンディング法で一回で修復することがあります。

費用は公的保険適応3割負担で1000~1500円で安価ですみますが、吸収性もあり、変色、劣化しやすい材質です。

2-1-3.アマルガム充填

水銀を50%含んだ銀色の詰め物で加工が容易で丈夫なため20世紀を中心に盛んに行われていた。

水銀の害が知られ、安全性のため2016年4月より公的保険治療から外れました。

2-2.自由診療の詰め物

2-2-1.金の詰め物(メタルインレー)

75%~84%金含有の金合金を使用したもの(銀、パラジウム、亜鉛、銅などの合金)

銀の詰め物と同様、虫歯を含む歯を削り、形成、型取りをして、その後修復物をセメントで固着するために2回かかります。

費用は約30000円~70000円ぐらいと高価ですが、銀の詰め物に比べ、歯の硬さに近く、歯との間に隙間が生じて2次カリエス(治療後の虫歯)になる危険性が少なく、長期的にさびて金属イオンが溶出する可能性が少なくすみます。

近年は金の高騰、セラミックの進歩、また口を開けた時に金歯がキラリと見えてしまうなど審美的な問題もあり、減少しつつあります。

2-2-2.セラミックインレー

金属を使わない均一のセラミックの詰め物。

メタルインレー同様、虫歯を含む歯を削り、形成、型取りをしてその後修復物をセメントで固着するため2回かかります。

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