歯が黄ばんでしまう原因となる着色汚れ(ステイン)を、手軽にキレイにしたいという方も多いのではないでしょうか。
しっかり歯みがきをしていても、ステインは日々の飲食でどうしても少しずつ歯に付着して、黄ばんだりくすんだりしていきます。
ステインを除去する方法はいくつかありますが、効果的に除去する1番の方法は歯科医院でクリーニングをしてもらうことです。また毎日のケアで予防することも必要です。
そこで今回は、ステインを除去する方法と予防法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
1.ステインとは
歯の着色汚れ(ステイン)とは、毎日歯磨きをしていても着いてしまう歯のくすみや黄ばみのことで、コーヒー、茶、赤ワインなどに含まれる色素やタバコのヤニなどが歯の表面についたものです。
これらの汚れは日々のお手入れであるホームケアで、ある程度の除去ができますが、しっかり除去するためには歯科医院でのクリーニングが必要です。
また、歯科医院では、汚れの除去だけではなく歯自体の色を白くするホワイトニングもできます。ホワイトニングは歯科医院で行うだけでなく、専用のマウスピースを用いて自宅でできるタイプのものもあります。
1-1.ステインが作られるメカニズム
歯の表面には唾液が作り出す「ペリクル」という薄い膜があります。
このペリクルに着色成分が付着することでステインになります。
この膜は虫歯菌の出す酸から歯を守る働きをしており、歯磨きをすると一時的には歯から剥がされますが数分後には形成されるものです。
しかし歯磨きをサボったり、繰り返し沈着しやすい食べ物を摂ると歯磨きでは取り除くことが出来なくなってしいます。
1-2.ステインの原因となるもの
・コーヒー、紅茶、緑茶、ワインや柿などに含まれる「タンニン」
・ぶどうやブルーベリーなどに含まれる「アントシアニン」
・タバコに含まれる「タール(ヤニ)」
他にも「ビタミンB群」や大豆に多く含まれる「イソフラボン」、玉ねぎ・ニンニクなどに含まれる「イオウ成分」、チョコレートなどにも含まれる「ポリフェノール」も原因になりやすい物質なので注意が必要です。
以下に一例をあげますが、日々食事で摂取しているものが殆どです。
【ステインが付着しやすい食べ物】
フルーツ(いちご バナナ ブルーベリー ぶどう プルーン かき など)
緑黄色野菜
ねぎ
大豆類
チョコレート
など
【ステインが付着しやすい飲み物】
コーヒー
紅茶
緑茶
ウーロン茶
コーラ
ココア
ワイン
など
【タバコ】
タバコに含まれる「タール(ヤニ)」がステインの原因になります。
ザラザラとしているため、一度付着すると、ステインがつきやすくなることもあります。タバコによるステインは除去にも時間がかかってしまうほど強固に付着します。
2.歯科医院でステインを除去する方法
歯科医院では、歯の表面についたステインを歯科医師・歯科衛生士が専用の機械を使って着色を取り除く「クリーニング(PMTC)」、薬剤を使って歯自体を白くする「ホワイトニング」、歯に希望の色を塗布して歯を白くする「歯のマニキュア」があります。(全ての医院で実施しているわけではありません)
2-1.クリーニング(PMTC)
クリーニング(PMTC)は器械を用いた清掃です。
これには、健康保険が適応されるものと、されないもの(自由診療)があります。
2-1-1.保険適応
歯周病治療を目的とするクリーニング(PMTC)では、「歯周病」という病気を「治す」という目的から保険診療が適応されます。
クリーニング(PMTC)の前に歯周組織の検査、歯石除去、歯磨き指導なども一緒に行いますので、お口の状態に合わせて、数回にわけて行うことが多いです。
2、3回の通院(1回30分から1時間の予約時間)で、費用は、毎回2,500円から3,000円程度(3割負担の方で)になります。
2-1-2.自由診療
「着色除去」を目的としたクリーニング(PMTC)は原則的には病気ではないので自由診療(保険適応外)になります。
歯周組織の検査、歯石除去、歯磨き指導に加え、予防プラグラムの立案、予防プランの提案などを行い、個人の虫歯のリスクや歯周病のリスクに合わせた、器械や器材を用い、適正な薬用成分が配合されたクリーニングペーストを使用しクリーニング(PMTC)を行います。
1回の時間は60分から90分としっかり時間をとり、1回で終えることができます。
費用は、10,000円から20,000円と医院によっても、異なります。
PMTCについて、詳しくは「歯の専門家が行うクリーニング!PMTCの5つのメリット」をご覧ください。
2-2.確実に白くしたい方はホワイトニング
ホワイトニングは専用の薬剤を使い歯を漂白することです。
ホワイニングには歯科医院行う「オフィスホワイトニング」、歯科医院で専用のマウスピースを作り自宅で行う「ホームホワイトニング」、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングと組み合わせた「デュアルホワイトニング(コンビホワイトニング)」があります。
現在の保険制度ではホワイトニングは審美目的のため保険は適用されず、自由診療となります。
料金はそれぞれの歯科医院が独自決定しているため同じシステムでも異なった料金になることがあります。
2-2-1.オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングとは、歯科医院において歯科医師もしくは歯科衛生士が行うホワイトニングのことです。
一般的に3.5~35%の過酸化水素水を主成分とする薬剤を使用し、光照射を併用して短時間でホワイトニング効果が得られる方法です。
1回の時間は30分から60分です。1回の施術でも効果は期待できますが2~3回行うことで白さを実感できます。
費用は、5,000円から50,000円くらいと医院によっても、異なります。
オフィスホワイトニングについて、詳しくは「歯を白くするなら短期間でできるオフィスホワイトニング」をご覧ください。
2-2-2.ホームホワイトニング
ホームホワイトニングとは歯科医院で型取りをしてもらい、そこから作成した専用のマウスピースを用いて自宅で1日2時間を2週間、患者自身がホワイトニング剤をマウスピースに入れ歯に装着し歯を白くする方法です。
オフィスホワイトニングと比較して過酸化水素の濃度が低いため(10%過酸化尿素)、安定した漂白効果と自然感のある白さを得ることができます。
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