いびきはサイン!睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療

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睡眠時無呼吸症候群の治療にマウスピースが効果的と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

症状、重症度、体型等により治療も異なりますが「毎日いびきがうるさい」「呼吸が止まることがある」と指摘されたことがある方は、まずは早めに睡眠時無呼吸症候群の検査を受け、診断を受けることをおすすめします。

そのままにしてしまうと、交通事故や生活習慣病など様々なトラブルを引き起こしたり、
QOL(生活の質)の低下、経済的損失につながることもあり、早期発見、早期治療がとても大切な病気です。

今回は、眠時無呼吸症候群に有効なマウスピース治療について解説します。ぜひ参考にしてください。

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1.睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは

 1-1.定義

睡眠時無呼吸症候群は「一回10秒以上の呼吸停止(無呼吸)や呼吸量低下(低呼吸=50%以上の換気低下)が一晩に30回以上、あるいは睡眠一時間に平均5回以上起こる」ことで診断されます。

睡眠時無呼吸症候群は「Sleep Apnea Syndrome」の頭文字から「SAS」と略されます。

いわゆる、睡眠中に呼吸が止まる無呼吸、止まりかける低呼吸を繰り返す病気です。

2003年の山陽新幹線で発生した列車緊急停止事故でSASが有名になりました。

1-2.大きないびきがサイン

日常的に大きないびきをかいている、と指摘されたことのある人は注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に喉の空気の通り道である気道が何らかの理由でふさがり、大きないびきをかいたり呼吸が一時的に止まる状態を繰り返す病気です。

いびきをかく人は中高年男性の4人に一人はいると推定されます。その中で睡眠時無呼吸症候群の人が500万人といわれているのに、多くの人が医療機関を受診していないのげ現状です。

その理由は、睡眠中の症状なので本人が気がつかないからです。痛くもかゆくもなく、自覚症状もほとんどありません。

同居する家族などの指摘により、ひどい「いびき」をかいていることを知らされ、受診をすすめられるケースがほとんどです。

1-3.睡眠時無呼吸症候群が及ぼす影響

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SASが様々な病気に影響を及ぼすと考えられています。

心不全や不整脈、高血圧からメタボリック症候群や慢性腎臓病、動脈硬化などの疾病はもとより、交通事故の原因となることもあります。

SASの人は無呼吸がない人と比較し発症率はそれぞれ、

心筋梗塞:6.9倍
心臓突然死:2.6倍
脳卒中:3.3倍

にのぼるという調査結果も報告されています。

2.睡眠時無呼吸症候群と診断されるまでのプロセス

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、診察は呼吸器科耳鼻科その他の専門医療機関を受けることができます。

2-1.問診

外来を受診した場合、まず問診を行います。問診時の代表的なものにESS(Epwouth Sleepiness Scale) 眠気度テストがあります。

ESS(Epwouth Sleepiness Scale) 眠気度テスト

ESS

得点の合計が9点以下であれば、眠気は軽度です。
10点~14点病的な眠気、15点以上になると重度の眠気で、睡眠時無呼吸症候群の場合は重症である可能性があります。

問診の結果、SASが疑われたら、睡眠中の呼吸の状態を検査します。

2-2.検査

検査の方法はいくつかありますが、その主なものは自宅でできるものと専門医療機関にて検査する方法があります。

2-2-1.自宅で出来る【簡易型ポリソムノグラフィ】

呼吸器科や耳鼻科、その他の専門医療機関を受診し、機械を自宅へ持ち帰り検査する機械です。

これを一晩もしくは二晩検査をしてもらい、機械を病院にもっていきます。

2-2-2.医療機関で行う【終夜睡眠ポリソムノグラフィ】

専門医療機関に入院して、「睡眠状態」と「呼吸状態」の二つを詳しく調べます。

2-3.治療

検査の結果、SASと判定されたら、代表的な対症療法の「CPAP治療」・「マウスピース」のどちらかを選択します。

2-3-1.CPAP(シーパップ)治療

鼻にマスクをつけ、小型の機械から空気を送り込む装置です。一定の圧力をかけた空気を送り込むことにより、気道を広げます。

睡眠中一時間あたりの低呼吸、無呼吸の平均回数(AHI)が20回以上だと保険適応となります。(専門医療機関にて貸し出し、毎月の外来診療が義務)

2-3-2.マウスピース治療

歯科医院へ行って、下あごの位置を固定するマウスピースを作ってもらい、睡眠時にこれを装着します。

マウスピースを作って睡眠時に装着するだけなので、簡単で費用も安くなります。

3.睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療とは

3-1.日本人は骨格上「無呼吸体質」!?

睡眠時無呼吸症候群は肥満の方がなりやすい印象をお持ちかもしれませんが、実は日本人は痩せていてもSASになりやすいといわれています。

SASの無呼吸や低呼吸の大半は空気の通り道である気道が狭くなったり、完全に塞がったりして起こります。

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