子供の永久歯の虫歯予防として、歯科医院でシーラントを勧められたという方も多いのではないでしょうか。
シーラントとは、生え始めの永久歯の奥歯の溝や複雑な形の歯の溝を、薄いプラスチックでコーティングしてふさぎ、大人になるまでの間に歯を虫歯から守ることを目的に行われています。
子供は歯磨きがあまり上手にできないうえ、生えたての永久歯は未熟なため虫歯になるリスクも高いのです。
そこで今回は、シーラントとはどういうものか、治療費について解説します。ぜひ参考にしてください。
1.シーラントとは
シーラントとは、小窩裂溝填塞(しょうかれっこうてんそく)と呼ばれる、生え始めの乳歯や幼少期の永久歯の噛み合わせにある溝をフッ素の配合されたプラスチックの材料で覆い、虫歯から歯を守る方法です。
シーラントの費用、治療時間
シーラントの処置は、保険適応の対象になりますので1歯につき、400円から600円程度です。
処置の時間は、1歯につき15分程度です。汚れが多くついていたり、複雑な形態をしている場合は30分程度時間がかかる場合もあります。
2.シーラントの対象となる歯
2-1.下の永久歯
下の永久歯は、6歳臼歯とも呼ばれ6歳になると生え始め、一生涯使う歯です。
小学生頃は、自分できちんと磨くことが難しく、虫歯になりやすいといわれていますので、下の永久歯は早めにシーラントの処置を行うことがあります。
6歳臼歯について、詳しくは「はじめて生える永久歯、6歳臼歯に起こるトラブルと対処法」をご覧ください。
2-2.下の小臼歯
永久歯の次に、下の小臼歯も同様です。
小臼歯の溝は小さな溝ではありますが、中に深い形態をしている場合が多いため、虫歯になりやすい時期にシーラントで歯を守ります。
小臼歯について、詳しくは「小臼歯に起こるトラブルや抜歯、矯正治療について徹底解説」をご覧ください。
2-3.中心結節歯
小臼歯には、中心結節のある場合があります。
中心結節がある歯は、虫歯になると神経の処置を行う可能性が高くなるため、早期の段階でシーラントで歯を守ることをおすすめしています。
中心結節について、詳しくは「子供にできる歯の異常!中心結節で起こりやすい症状と治療法」をご覧ください。
2-4.上の永久歯
上の永久歯は特に一番奥の歯が磨きにくく、歯ブラシが当たっていない場合もあり虫歯になりやすいです。磨き方が改善されない場合は、虫歯から歯を守るためにシーラントを行う場合があります。
3.シーラントの効果(メリット)
シーラントの効果はしっかりとケアがされている環境で行うことで、虫歯の予防効果があることがわかっています。
シーラーントを行った場合とシーラントを行わなかった場合とでは、虫歯になる割合が違ったいう研究データもあります。
いずれにしても、シーラントを行うだけで虫歯にならないということではなく、その他に定期検診や適切な歯磨きが行えていることが条件となります。
また、シーラントにはシーラント剤にフッ化物が配合されているものがあります。シーラントを塗布したのちに、フッ化物だけが少しづつ放出されて、歯質の強化や虫歯予防の効果が期待されると言われています。
4.シーラントのデメリット
4-1.歯の溝のみにしか行えない
シーラントは歯の溝に対応する処置であり、歯と歯の間や歯と歯の境目には処置を行うことができません。
4-2.シーラントは外れることもある
シーラントをしたからといって、永久的に取れないことはありません。
むしろ、取れやすいと事もあるといわれデメリットでもあります。
4-3.処置の仕方によっては虫歯になる
シーラントを行う前に溝に残っている汚れを綺麗に取りのけていない場合は、中で虫歯になる可能性もあります。
シーラントの処置はきちんと汚れを取り除き、歯の表面をきれいにする前処置がとても大切です。
5.シーラントを行うタイミング(時期)
5-1.年齢
シーラントを行う年齢は、6歳臼歯と呼ばれる第1大臼歯が生えてくる、6歳ころが目安といわれています。
5-2.歯の生え始め
歯の生え始めの中でもシーラントを行うタイミングは、6歳臼歯の生え始めが目安になります。
また、その他の歯も噛み合わせの部分がでてきたら、早めにシーラントを行う場合もあります。
5-3.歯の形状
中心結節など、歯の形態が複雑だったり、噛み合わせの溝が深い場合などは歯ブラシで汚れが取り除きにくい場合があるため、形状を確認してからシーラントを行います。
上の前歯の裏側なども溝が深い場合もあり、虫歯になりやすいこともいわれています。
6.シーラントの方法
Step1.シーラントを行う部分を機械や歯ブラシを使用して汚れを取り除く
※ここでしっかりと汚れを取り除くことがとても大切です。
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