根管の内部または根の先の骨の中に細菌や細菌の死骸である膿がたまっていて、根管治療により内部圧力が亢進し、圧力の逃げ場がなくなりこもってしまい痛みが出ることがあります。
この場合には仮のつめ物ではずして内部の圧力を抜くことが、必要になりますので、御自身で仮のつめ物を取り除くか、歯科医院を受診して下さい。
また歯ぐきが腫れて痛い場合にも歯科医院を受診して下さい。
3-3. 根管充填後の痛みある場合
3-3-1. 鎮痛剤で様子をみる
根管充填とは、根管を殺菌消毒した後、薬剤を緊密に圧をかけて充填する処置ですので、数時間~数日で痛みが治まることが多いです。
心配ならば鎮痛剤を服用するのもよいでしょう。
3-3-2. 数日経過しても痛む場合
歯にヒビがないっている。割れている。抵抗力、免疫力が低下しているため改善する力が弱いことも考えられます。
そのまま経過を見て、自然治癒を期待するか外科的処置を行うこともあります。
また、根管形態が複雑で根管に空気が入ってしまい、緊密に充填できない場合の痛みも考えられますので、再度の根管治療、または専門医(自費治療になりますが)への受診もおすすめします。
3-4. その他の痛み
3-4-1. 根管治療後咬むと痛む場合
咬み合わせの調整をしてもらうことで改善することも多いです。
処置したことによる一過性の過敏状態、また歯と骨との間にある歯根膜という部分の炎症による痛みとも考えられますので、咬み合わせの調整をしてもらい安静にすると良いでしょう。
3-4-2. 根管治療後、同じ側の他の歯が痛む場合
関連痛といって、根管治療により近くの歯、咬み合わせの部位に歯にいようがあって、痛みが出た可能性もあります。
やはり、歯科医院を訪れ、精査をしてもらうことをおすすめします。
神経を抜いた後の痛みについて、詳しくは「痛みが続く場合は要注意!神経を抜いた歯が痛い原因と対処法」をご覧ください。
4. 注意しておきたいこと
4-1. 治療中の歯ではなるべく咬まない
治療中の歯は一過性の過敏状態になっているため、安静にしておくことが痛みの予防になります。また、歯が欠ける、仮のつめ物がとれるなどの予防にもなります。
4-2. 治療の期間を空けすぎないようにする
内部で細菌増殖し、感染悪化したり、仮のつめ物がとれて、根管に細菌が入り込んで悪化したり弱くなった歯質がハセツしやすくなったりしますので、なるべく1カ月以上治療をあけたりしないようにしてください。
4-3. 炎症がある時には血流の良くなる事は避ける
アルコール摂取、過度な運動、サウナなど血液循環が良くなることで、炎症の悪化、痛みの悪化につながるので避けましょう。
4-4. 休息をとり、ストレスを減らし、睡眠をしっかりとる
やはり御自身の自己免疫力、自然治癒力も大事ですので、休息をとり、免疫力を高めましょう。
まとめ
誰でも痛みがない根管治療を望んでいると思いますが、全く痛みがなく根管治療を受けることは難しいことです。
痛みの原因、対処法を知っていただくことで歯を残すための根管治療を安心して受けていただけたらと思います。
Author: 小野澤 彰(歯科医師/歯科オノザワ院長)
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