歯を守りたいなら!根管治療の専門医が行う最先端治療とは

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一般歯科で抜歯をすすめられたが歯を残したい、以前にも治療した歯が痛むという方は、ぜひ一度、根管治療専門医での受診をおすすめします。
根管治療は、進行した虫歯の治療方法として一般的なものですが、医師の技術が問われる非常に難しい治療法です。

再治療を何度も繰り返すうちに、どんどん歯が削られ薄くなり、最後には割れてしまい抜歯になるというパターンも少なくありません。

今回は根管治療専門医での最新治療法と一般歯科での治療の違いについて解説します。ぜひ参考にしてください。

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1.根管治療とは

歯科医院に行き、神経の治療、歯の根の治療、と言われたら、それは根管治療のことです。

歯の内部には、神経(歯髄と呼ばれるゼリー状の組織)があります。むし歯が大きかったり、歯が割れてしまった場合、神経は口の中が交通し、口の中のばい菌に侵されてしまいます。

すると、冷たいものがしみたり、歯茎が腫れたり、時には夜も眠れないほどの痛みを感じてしまうことも少なくありません。

このような状態になってしまったら歯の神経を取り除き、内部をきれいに消毒して、症状を改善し歯の健康を維持できるようにする、これが根管治療です。

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図:歯の内部にある“歯髄”と呼ばれる神経。神経は歯の根の内部を通り、根の先端を交通しています。

 

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図:根の内部に入り込んだ生ゴミのような汚れ。

1-1. 根管治療は歯の寿命を左右する

根管治療が必要になってしまった歯の汚れはかなり進んでいます。

人間の体に例えると、進行ガンです。根管治療を行う歯は、歯の進行ガンに侵されていると言っても過言ではないでしょう。進行ガンの手術は、患者さんの命に関わるのと同じように、根管治療は歯の健康、寿命に大きく関わります。

1-2.根管治療の難しさ

根管治療は、日常的に一般の歯科医院で行われていますが、実は多くの歯科医が苦手としている非常に難しい治療です。

理由は、根の内部を肉眼で確認することが困難だからです。想像してみてください。口の中の小さな歯の、そのさらに内部です。

“プロだからできて当たり前!”と思われる方もいらっしゃると思いますが、そうではありません。筆者の知人である歯科医師の多くから、根管治療の難しさをよく耳にします。それほど、根管治療は難しいのです。

また、根の内部は、網の目のように複雑な形をしているため、一度入り込んでしまった汚れを取り除くことは、これも非常に困難です。
このように根管治療は、とても難しい治療である、と言わざるを得ません。

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図:歯の内部は網目状の形をしている

1-3.日本の根管治療の成功率の低さ

1-3-1.成功率の低さ

日本は、根管治療において欧米先進国の中でも際立って成功率が低く、再治療が多いと言われています。

成功率と言っても様々な要素で変化をするため、これといった数字を出すことはできませんが、あるデータを参考にすると、岡山大学付属病院に来院した患者さん672人の内、根尖性歯周炎になっている歯がある人は469人(69.8)%、根管治療を受けている歯3320本の内、根尖性歯周炎になっている歯は1329(40)%であった、という結果が出ています。

この数字が全てを物語る訳ではないですが、筆者の経験でも、10本に4〜5本は根の先に炎症があります。

決めつけることは決してできませんが、全体の半分近くの根管治療が失敗しているのではないでしょうか。

1-3-2.成功率が低い理由

上記に示した通り、難しい治療であるため成功率は当然低くなりますが、これに拍車をかける事実があります。

それが、“保険診療における報酬の低さ”です。あるデータによると、日本の根管治療における報酬は他の先進国と比較すると、かなり低いようです。

アメリカやイギリスでの根管治療費は10万円前後なのに対し、日本は6千円弱。なんと、約20分の1です。

また、ある書物には“高いレベルの良質な治療を提供するにあたり、日本の公的保険制度下での歯内療法(根管治療のこと)関連の保険点数がその対価として十分な点数であると思っている保険医はいないのではないだろうか”と、記載されています。

つまり、保険制度の報酬では、精度の高い根管治療は行うことは難しい、ということです。

このような事実から、一般的な歯科医院では最先端の根管治療を行う上での設備投資や、一人の患者さんに長い時間根管治療を行うことがとても難しい現状にあります。

2.根管治療専門医について

上述させて頂いたように、とても難しくて日本での成功率は低い、しかし歯のその後の健康と寿命の鍵を握ると言っても過言ではない根管治療。

こんな根管治療を得意とする歯科医師が世の中には存在します。

それが、根管治療専門医です。彼らは、現代の最先端の設備と技術を駆使し、根管治療の必要になった歯の健康を守るスペシャリストです。

根管治療専門医と言っても、様々な形でスペシャリストとして活躍してます。日本の学会に認められたライセンスを取得していたり、海外の大学に留学し専門医のライセンスを取得している人、専門医のライセンスは所得していなくても、取得している専門医と同等かそれ以上の技術を持っている人など様々です。

また、一般歯科として入れ歯や歯周病の治療も行いながら、根管治療に特化しているスペシャリストもいれば、他院から依頼された根管治療のみを行うスペシャリストもいます。

このように、様々な形の根管治療専門医がおりますので、ここでは“他の歯科医師と比較し、根管治療に特化した歯科医師”=“根管治療専門医”とさせて頂きます。

3.根管治療専門医でかかる費用と治療期間の目安

歯科医院によって費用には差があります。これは科医院によって設備も異なりますし、使う器具や機材、立地条件も異なるためです。

また、別途、検査代やかぶせ物をセラミックにした場合にも費用が必要になるため事前に確認しておきましょう。

前歯:3万~15万

小臼歯:5万~20万

大臼歯:6万~30万

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