妊婦が歯医者で受けられる治療と気を付けるべき注意点

妊娠初期は放射線感受性が強い時期ではありますが、被ばくを怖がりレントゲン撮影をしないと適切な診断や治療が受けられない可能性もあるため歯科医と相談したうえで必要な場合はレントゲンによる診断を受ける事をオススメします。

歯科で使われているエックス線装置は局所撮影を行うものであり医科で使用されている胸部エックス線撮影装置に比べ被ばく量は1/3~1/10とかなり低くなっています。またデジタルエックス線の場合は従来のものに比べ1/10と更に被ばくは抑えられます。

レントゲン撮影を行う際には鉛の入った防護エプロンを着用するため胎児への直接的な被ばくは避けられます。

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5.妊娠中の痛み止め薬について

妊娠中の服用薬については十分注意が必要と考えます。

抗炎症薬、鎮痛剤でよく使われているもの(アスピリン、ロキソニン、ボルタレンなど)の中には妊娠中は注意が必要な種類もあります。

妊娠中やむを得ず急性症状を抑えるため鎮痛剤を服用する場合は、妊娠中比較的安全と言われているアセトアミノフェン(カロナールなど)が良いと言われていますが薬の処方が必要な場合は、担当医師に確認をしてもらいましょう。

市販薬などでも比較的安全と言われている鎮痛剤もありますが自己判断で服用せず歯科医院などで相談のうえ安全を考慮し服用しましょう。

6.妊娠中の抜歯について

どうしても痛みや腫れなどの急性症状が強く抜歯せざるを得ない場合は抜歯を行う事もありますが積極的には抜歯をせず経過観察をするケースが多くみられます。

抜歯をしてはいけないという訳ではないですが、抜歯後は鎮痛消炎剤、抗生物質の服用が必要な場合があり妊娠中はなるべく避けた方がよいと考えられています。

親知らずなどの抜歯は妊娠中なるべく応急処置にとどめ出産後など安定したら抜歯をする、もしくは妊娠を希望される場合は、妊娠前に定期健診を受け、親知らずや他の歯の虫歯や腫れなどをチェックしてもらい妊娠前に必要な抜歯は済ませておけば、安心して出産までの妊娠生活を送れます。

7.妊娠中におこりやすいお口の中のトラブル

妊娠中はつわりがあったりホルモンバランスが崩れたりと、お口のトラブルが起きやすい時期です。

つわりでは気持ちが悪くて歯が磨くことが困難なため、妊娠性歯肉炎などの炎症症状が起こりやすいと言われています。

唾液の性状も変わり、唾液の量が減る傾向にあるため唾液の働きの自浄作用が低下し、虫歯や歯周病になる危険性も上がります。

8.トラブルを防ぐためにできること

お口のトラブル防止のためにできる事は、かかりつけ歯科医院において担当医や担当歯科衛生士と相談のうえ、妊婦さん個人にそれぞれにあった方法でケアを行う事です。

妊娠期の体調などを考慮し、妊娠初期のつらい時期のケア方法のアドバイスをもらうことで、トラブル回避につながります。

また、定期的なクリーニングなどを受けることで、自分自身で磨きにくい部分のケアをプロに任せることもトラブル防止につながります。

妊娠を希望される方の場合は、事前に定期健診を受診し、虫歯や歯周病の検査をしてもらい、妊娠前に虫歯治療、歯周病治療を徹底して受けた方が良いでしょう。

歯周病菌、虫歯菌と妊婦さんとの関わりとして、早産や低体重児出産の傾向にあるなど、研究で明らかになっています。

安心して出産を迎えられるよう妊娠前、妊娠中、出産後ともに定期検診を受けられるとよいでしょう。

9.虫歯治療の前にやっておくこと

9-1.産婦人科の先生に報告しておく

妊娠中の歯科治療に関して処方薬が出る場合など、産婦人科の医師と連携をとる必要がある場合があります。

担当の産婦人科の先生へ事前に歯科治療を受ける事を相談し、何かあった時は連携が取れる体制を整えておきましょう。

9-2.歯科医院で妊娠していることを伝える

妊娠していることを考慮して安心安全な歯科治療を受けるため事前に妊娠していることを伝えましょう。

問診票など事前に記入する場合もありますが、元々定期的に受診している歯科医院の場合などは受付で伝えていただくか診療に当たる担当歯科医師、歯科衛生士にお伝えください。

また妊娠希望があり確定はしていないが妊娠している可能性がある場合も事前にお伝えください。

9-3.母子健康手帳を持参する

母子健康手帳には妊娠中と産後の歯の状態を記入するページがあります。

妊娠中の歯の健康状態を管理することに加え、妊婦さん自身の健康状態を把握して治療が行える事もあり定期検診や歯科治療を受ける場合が必ず母子健康手帳を持参してください。

また通院中の産婦人科への問い合わせが必要な場合も役立ちます。

9-4.ラクな姿勢で治療を受ける

特に妊娠後期ではお腹が大きくなるため仰向けの姿勢では圧迫され苦しい場合があります。

辛い態勢で治療を受けていると仰臥位性低血圧症候群が起き悪心、嘔吐、冷や汗、めまいなどが様々な症状が起きる可能性があります。もしも気持ち悪くなってしまった場合は我慢せず状況を伝え回復するような態勢に変えてもらいましょう。

まとめ

妊娠中はとくに歯科の治療は受けられるのか?レントゲン、麻酔はどうなの?と不安がたくさんあると思います。

様々なネットワークで情報が流れていると思いますが不安な場合は自己判断せずにかかりつけ歯科医、歯科衛生士に相談してください。

安心して出産できるよう妊娠中の不安や疑問を解決しましょう。

鎌田 瑞乃
Author: 鎌田 瑞乃(歯科衛生士)

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