歯並びを治したいけど、歯科医院はたくさんあってどこに通えばいいか迷っている方も多いのではないでしょうか。
矯正治療は保険が効かないので高額な上に、一度始めると他の歯科医院に転院する場合料金を引き継ぐことができません。また担当する歯科医師によって治療方針が異なることもあります。後悔しないために安易に「通いやすいから」とか「安いから」といった理由で選ぶのではなく、満足できる矯正治療を受けられる歯科医院を選びましょう。
今回は矯正歯科の選び方をご紹介しますので、ぜひご自身にあった矯正歯科を選ぶ際の参考にしてください。
1. 矯正歯科医から選ぶ
1-1. 矯正のプロである日本矯正歯科学会の認定医
日本矯正歯科学会の認定医というのは、矯正治療の分野において日本で最も権威のある日本矯正歯科学会という組織が試験を行います。客観的に歯科医師の能力を判断して、「この歯科医師は矯正のプロである」ということを証明しているといるので「自称矯正のプロ」ではないのです。
認定医を持っている歯科医師かどうかを確認するには、日本矯正歯科学会のHPの認定医名簿一覧で確認することができます。
http://www.jos.gr.jp/roster/
1-2. 矯正の認定医は歯科医師の約3%
日本に約10万人いる歯科医師の中で日本矯正歯科学会の認定医という資格を持っている歯科医師は、たった3%の約3000人しかいません。それを聞くと、「矯正治療のプロの診療を受けられる病院は3000件しかないのか?」と思い不安になると思いますが、1人の矯正の認定医が何か所かの歯科医院で診療していることが多いので、実際はその数倍あります。
日本矯正歯科学会のHPの認定医名簿一覧に載っている中に、治療を受けてみたいと思うお目当ての歯科医師がいれば、その先生の名前をインターネットで検索してみると、もしかしたら自分の通院できる範囲内でも診療をしているかもしれません。逆に自分が通院できる範囲で認定医が診療している歯科医院を検索することもできます。
1-3. 普通の歯科医師に矯正治療はできないの?
歯科医師免許を持っていれば日本の法律では矯正治療を行うことはもちろん違法ではありません。しかし、各歯科医師にもそれぞれ専門分野・得意分野があるため、全員が安全に患者様の負担が少ない方法で最大の治療効果が得られる一流の矯正治療を提供できるということではありません。
しかし矯正治療は歯科治療の中でも最も専門性の高い分野ですので、認定医になるためには歯科医師免許を取得した上で、さらに5年間矯正専門のトレーニングに専念しなければなりません。
そのため一般治療の診療の片手間で容易に習得できるものではありません。
例えば、かかりつけの歯科医師に子供の歯並びをチェックしてもらって「矯正は全て永久歯がそろってから」と言われていたが、日本矯正歯科学会の認定医を持った矯正のプロの歯科医師に診てもらったら「このまま放置しておくと将来永久歯を抜歯しないと治せなくなるが、今矯正をスタートしたら将来永久歯を抜歯しなくてもきれいな歯並びに治せる」と言われた、というケースは実際によくあります。
一般歯科で信頼できる歯科医師と矯正歯科で信頼できる歯科医師は別なので、かかりつけの先生が信頼できる人ならば、むしろ「日本矯正歯科学会の認定医の先生を紹介して下さい」とその先生が信頼している矯正歯科医を尋ねてみるといいかもしれません。
2. 歯科医院から選ぶ
2-1. 日本矯正歯科学会の認定医が開業している矯正専門の歯科医院を選ぶ
看板に「矯正専門の歯科医院」としてかかげていても、認定医を取得している歯科医師が診療していない場合もあります。矯正治療を受けようと考える場合は必ずその歯科医院で診療している先生の名前を日本矯正歯科学会のHPで検索して、認定医かどうか確認しましょう。矯正専門の歯科医院の利点は、矯正治療の予約を比較的制限されずに取ることができるというところですが、欠点は虫歯、歯周病、歯を抜くといった一般歯科の治療を受ける場合に他の歯科医院に通院しなければならないというところです。
2-2. 日本矯正歯科学会の認定医が診療に来ている一般の歯科医院を選ぶ
認定医が一般の歯科医院に依頼されて矯正治療の日だけ診療に来ているという場合もよく見受けられます。この場合の利点は、虫歯、歯周病、歯を抜くといった一般歯科の治療と矯正治療を1件の歯科医院の中で歯科医師同士の連携によってスムーズに受けられるというところですが、欠点は矯正治療の予約日が限定されるというところです。
2-3. 引っ越しや転勤の可能性がある場合は国立の大学病院の矯正科を検討しましょう
矯正治療は治療期間が比較的長くかかることが多いですが、通常転院先の歯科医院で料金を引き継ぐことはできません。そのため最も気を付けなければならないのが治療の途中で引っ越すことになって通院できなくなることがないかどうかです。但し、「国立の大学病院から国立の大学病院に転院する場合」に限り、転院の際に料金を引き継ぐことができます。
引っ越しの予定があったとしても、現在住んでいる場所と将来引っ越す予定の場所から通える地域に、それぞれ国立の大学病院があるのであれば国立の大学病院の矯正歯科を選びましょう。
3. 矯正歯科医を選ぶポイント
最初の矯正相談から親身になってしっかりコミュニケーションをとってくれる歯科医師を選びましょう。
歯科医師の説明不足や、気になっていることがあっても話しかけにくい雰囲気で質問できなかったということが積み重なると、矯正治療を受けたのに不満という残念な結果になってしまいます。矯正相談の時点で以下の内容を分かりやすく説明してくれるかどうかを判断基準にしましょう。
3-1. 使用する装置、治療期間、料金、通院頻度を具体的に説明してくれるか
どんな素晴らしい装置でも正しく使わなければ治りません。装置の取り扱い方や注意点を説明してくれるのは最も重要なことです。
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