こどもの乳歯がくっついて生えてきたり、数が少なかったり多かったりすると不安に思う方も多いのではないでしょうか。
乳歯は生後6か月ころから下の前歯が生えはじめ、2歳くらいで奥歯まで生えそろいます。全部で20本です。
乳歯の数や形の異常は、そう珍しいことではありませんが、状態によってそのまま様子をみていい場合といろいろな問題が起きていて治療が必要な場合がありますので、おかしいと思ったら歯科医院で診てもらいましょう。
今回は乳歯に起こる歯の異常と治療法を紹介します。ぜひ参考にしてください。
1. 早く生えてくる先天歯
先天歯とは、生まれてすぐに歯が生えていたり、出生後4週間までに生えてきた歯のことををいいます。
通常乳歯は生後8ヶ月から下の前歯が生えます。それよりも早く生えてきた歯を先天歯といい、早く生えてくるということは、歯自体がまだ成長段階で生えてきますので、虫歯や歯の神経の病気(歯髄炎)を発症しやすいとも言われています。
1-1.先天歯で口を傷つける場合
早くに歯が生えると、授乳の時に下の唇を傷つけることがあります。傷が深くなるようでしたら、抜歯などの処置が必要になりますが、症状がない場合は、そのまま様子を見ることが多いです。
1-2.ぐらぐらしている場合
早くに生えてくる分、歯も未成熟なため、生えてもぐらぐらと動いている場合があります。
ぐらぐらしている状態にもよりますが、間違って飲み込んでしまうと大変危険ですので、気にる場合は早めに受診をしましょう。
2.埋まって出てこな埋伏歯
第三大臼歯や犬歯が生えてくる時期が過ぎても、歯の全部または一部が、歯ぐきの下またはあごの骨のなかに埋まって出てこない状態の歯のことをいいます。
治療の方法
第三大臼歯(親不知)の埋伏歯は、噛み合わせや周囲の歯に悪い影響をあたえる場合には主に抜歯が選択されます。
しかし、骨の深い位置に埋伏している場合は経過観察をする場合もあります。また犬歯の埋伏歯は歯の一部を出して、矯正治療でを正しい位置に生やす治療を行うこともあります。
3.歯が多い過剰歯
歯の種類によって決まっている数以上に存在する歯のことを言います。
最も多いのは、上顎の正中にできる正中過剰歯です。この他にも、大きさや形から見た目で過剰歯とわかるものが一般的ですが、稀に普通の歯とほぼ同じ大きさや形態を持ちどれが過剰歯かわからない場合があります。
治療法
曲がってはえていたり、他の歯を圧迫して歯並びを悪くする原因となることが多いのでこの場合には抜歯をすることがあります。しかし正常にかえていて他の歯への悪影響が無い場合はそのまま使います。
4.歯が小さい矮小歯
歯の平均的な大きさを基準とした際に、それよりも異常に小さい歯のことをいいます。
上顎側切歯や第三大臼歯 過剰歯で現れることがあります。上顎側切歯は円錐歯、第三大臼歯は蕾状歯となることが多いです。
乳歯にもあらわれることがあり、上下顎乳側切歯に多く、下顎では乳側切歯と乳犬歯が両方とも栓状の矮小歯となることがやや多く見られます。
5.歯と歯がくっついている癒着歯(癒合歯)、双生歯
隣接する歯の元になる胚が発育途中でくっつき癒合して象牙質を含めて一体化した歯のことをいいます。
癒合歯、癒着歯は接触した歯胚の発育段階の差によるもので、癒合歯のほうがより早い時期に接触した歯です。
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