アデノイド顔貌にはこのような特徴もあります。
1つは、「口呼吸」です。
・口呼吸
・いつも気づくとポカンと口が空いている
・睡眠中のいびき
・上顎の前歯がでている
・唇が乾燥しやすい、いつも荒れている
・鼻孔が小さく、狭い、鼻が低い
・猫背姿勢
・下顎が上顎に比べて後ろの方にある
咽頭扁桃肥大(アデノイド肥大)、鼻炎など鼻で呼吸できない問題があって口呼吸になっている場合は、口呼吸の影響で前歯が外側に出て来ない様に、耳鼻咽喉科を受診して鼻呼吸ができるように治療を受けましょう。
1-8. 舌が大きい
歯がどこに並ぶかは頬の筋肉と舌の力のバランスで決まるため、舌が大きいと舌の力で歯並びが押し広げられて、歯の間に隙間ができてしまいます。舌が大きいかどうかの簡単な目安として、歯並びが悪くないのに、舌を持ち上げて見た時、両脇に奥歯の歯の型がくっきりと付いている、という場合、舌が大きい可能性があります。
2.後天的要因(環境)
2-1. 歯並びや噛み合わせが悪くなる癖
食べ物を飲み込む時に舌が前歯を押してしまう癖、指しゃぶり、爪や物を咬んだり吸ったりする癖、唇を咬むといった癖は、前歯が前に出て出っ歯や開咬(上下の前歯が噛み合わず、食べ物を前歯で咬み切れない状態)の原因になります。
左右どちらかで偏って咬む癖、頬杖、うつ伏せや横向きに寝る癖は顎や歯並びの左右のバランスが悪くなる原因になります。
寝ている時に食いしばり、歯ぎしりの癖があると、奥歯が削れて高さが低くなるので、前歯の噛み合わせが深くなってしまうことがあります。
2-2. 口呼吸
唇や頬の筋肉が歯を内側に押す力と、舌の筋肉が歯を外側に押す力のバランスによって、歯の向きは影響を受け、歯並びがどういう形になるか決まります。
口で息をする口呼吸の癖があっていつも口を開けていると、唇が前歯を内側に押す力が弱くなり、前歯は歯並びの外向きに傾いてしまう結果、出っ歯になってしまいます。そして上下の前歯が外向きに傾いてしまっている場合、歯並びによって口を閉じられない状態になってしまって、ますます口呼吸になってしまうという悪循環になってしまいます。
鼻炎など鼻で呼吸できない問題があって口呼吸になっている場合は、口呼吸の影響で前歯が外側に出て来ない様に、耳鼻咽喉科を受診して鼻呼吸ができるように治療を受けましょう。
2-3.事故などで歯を強く打ったことがある
歯を強く打つと、歯や顎の関節が脱臼したり、顎の骨が骨折したりすることが原因で、噛み合わせがずれてしまうことがあります。
早期に対応すれば顎や噛み合わせのずれを治せる可能性が高いので、顎や歯を強く打った時はすぐに口腔外科を受診しましょう。
また、乳歯を強く打つと、その下にある永久歯の歯胚の向きがずれて萌える方向がおかしくなり、その結果歯並びが悪くなってしまうことがあります。
2-4. 虫歯や歯周病でなくなってしまった歯がある
虫歯や歯周病で永久歯がなくなったまま放置していると、両隣りの歯が倒れてくるだけでなく、元々咬み合っていた反対側の顎の歯も伸びてきてしまう結果、水平的にも垂直的にも噛み合わせがずれてしまいます。
乳歯が虫歯でなくなったまま放置していると、奥の永久歯は乳歯がなくなってしまったスペースに倒れてきて、乳歯の後に下から出てくる永久歯が萌えるスペースをなくしてしまうので、歯並びも噛み合わせも悪くなる原因になります。
2-5. 乳歯が自然に萌え換わらず遅くまで残っている
乳歯が適切な時期を過ぎて残っていると、下から萌えて来る永久歯が乳歯を避けるようにずれて萌えてしまうことがあります。その結果乳歯の時は歯並びが良くても永久歯に萌え換わった後、歯並びが悪くなってしまうことになります。
2-6. 親不知が前の歯を押している
親知らずが骨の中で前の歯に向かって倒れていると、親知らずが前の歯を押す力で少しずつ全体の歯並びが悪くなってしまうことがあります。
2-7. 年を取るごとに起きる歯の移動
人間を含め霊長類の歯は、上下とも全ての歯が必ず少し手前に倒れている角度で萌えて咬み合っているため、毎日食べ物を食べて咬み合う度に少しずつ前に倒れて出てくる動きをしています。
それが長年積み重なって歯並びが悪くなっていきます。
歯周病になって歯茎の骨が痩せて歯がぐらぐらしてくると、咬む力で歯が前に出てくる動きが一気に加速し短期間で出っ歯の状態になります。
前歯が前に出てきてしまうと年を取った顔に見えてしまうので、アンチエイジングのためにも、歯周病の予防、歯周病の治療をしましょう。
まとめ
今回は、歯並びが悪くなる原因についてお伝えいたしました。
原因はひとりひとりのお口などの状態により様々ですので、歯並びが気になる方はまずは歯科医院を受診してください。
Author: 宮島悠旗(歯科医師/日本矯正歯科学会 認定医)
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