歯科金属アレルギーの原因になる金属と代替素材を徹底解説

直接症状がでる場合は、アレルギーだとわかりやすいですが、歯科の被せ物では唾液と溶け出して体内へ入るため、アレルギーの症状がお口の中以外にでるため、判明しにくいことも事実です。

検査費用は、皮膚科で検査を行えば保険適応になりますので、1,300円程度です。
アレルギーは皮膚にでる症状なので、基本的には皮膚科で検査を受けられることをおすすめします。

歯科医院での検査もできますが、保険適応外となりますので、4,000円〜5,000円程度の費用がかかります。また、歯科医院では、パッチテストを行っている医院と行っていない医院がありますので、かかりつけの歯科医院に相談してみてください。

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5. アレルギーが出た際の治療方法

ネックレスや時計などでアレルギー症状がでる局所性の場合は、原因となっている金属をすぐに取り外してください。

症状が痒みのあるものであれば、刺激を与えないように、冷却すると痒みが和らぎます。

アレルギーの症状が出た場合は、まずは皮膚科を受診してください。症状に対する応急処置をしてもらい、アレルギーの原因が何かを検査してもらいましょう。

歯科医院でも検査をすることはできますが、皮膚にでている症状の「処置」は皮膚科医の専門です。

検査結果ののち、歯科金属によるアレルギーと分かれば歯科を受診し、原因となっている金属を除去してもらいましょう。

また、アレルギー検査は皮膚科だと保険がききます。歯科医院では自費の診療となります。症状がでている人は、まずは皮膚科に相談に行くことをおすすめしま
す。

5-1. 局所性の症状が出た場合

お口の中の金属が原因で局所的に症状がでた場合は、取り外しができる入れ歯などであればすぐに取り外し、症状のある部位に刺激を与えないようにしましょう。

5-2. 全身性の症状が出た場合

全身性のアレルギーの場合は、長期間かけて症状がでるため気づきにくいこともあります。
痒みを伴う症状では、患部を冷却して刺激から守りましょう。

6. 代替素材と費用について

パッチテストを実施し、アレルゲンが歯科材料からでていることが判明したら、その原因となった金属を除去します。

そして、アレルゲンフリーの材料のオールセラミック スへ交換治療を行います。

6-1. 詰め物・かぶせもの(銀歯)・クラウン・ブリッジ

アレルゲンフリーのオールセラミックスへ交換することが効果的です。

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治療費は、保険適応外となります。
かぶせ物のサイズにもよりますが、小さなものであれば、30,000円〜。
クラウンなどの大きな被せ物は1本80,000円から150,000円が相場です。

6-2. 差し歯(コア)

アレルゲンフリーのオールセラミックスへ治療交換することができます。
また、ハブリット(セラミックスとプラスチックを混ぜた物)で治療することも効果的です。

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6-3. インプラント

インプラントはアレルギーが比較的少ないと言われるチタン製ですが、チタンにアレルギー症状がでる人は、金属を使用しない入れ歯が代替治療となります。

保険適応、適応外それぞれがあります。
歯の本数にもよりますが、入れ歯の場合は、保険で5,000円程度、自費治療だと30,000円から50万と、歯の本数により価格は異なります。
かかりつけの歯科医院で相談してみてください。

6-4. 歯列矯正

矯正治療では、金属の装置以外にセラミックスを使用した装置がありますので、アレルギー症状のある人は、セラミックスの装置をお勧めします。
金額の相場は30万円〜となります。

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詳しくは【大人と子供でも異なる!歯の矯正の費用相場について】をご覧ください。

6-5. 入れ歯

部分入れ歯には、引っ掛け部分(クラスプ)に金属を使用しますので、金属を使用しない形態の入れ歯を作ることができます。

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こちらは自費の治療になりますので、自費治療だと30000円から50万と、歯の本数や引っ掛け(クラスプ)の場所により価格は異なります。

まとめ

多くの歯科医院で、問診票で金属アレルギーがあるかどうかお伺いしております。アクセサリーなどでアレルギー症状が少しでもでた経験のある方は、治療の前に必ず歯科医師に申し出ましょう。

また、歯科医療で使われる金属も日々改善されています。治療をして、10年、20年経過している被せ物は、歯科医院で確認してもらい、必要ならば金属アレルギーが出る可能性の低い最新の医療材料でかぶせ直しの治療をすることも不安の解消になると思います。

Author: 塚本 千草(歯科衛生士)

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