子供の頃から「ちゃんと噛みなさい」「よく噛みなさい」と言われてきた方もたくさんいるのではないでしょうか?
「良く噛むことは体にいい」ことや「ダイエット効果がある」などテレビや雑誌などのメディアを通じて取り上げられているので興味がある方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで今回はよく噛むことってどういう効果があるのか、歯科衛生士として現場で言われている事をお伝えしていきたいと思います。
1. よく噛むことで得られる効果
1-1.ダイエット効果
噛む回数が増えれば食事の時間が長くなり、ゆっくりと食事をしているうちに血糖値が高まり「お腹がいっぱいだ」と感じ食欲を抑制する事ができます。
よく噛む事により満腹中枢が刺激され、あまり噛まずに食事を摂るよりも食べすぎ予防になります。
自然とカロリーオフになり無理せずダイエットする事ができメタボリックシンドローム予防になります。
1-2. 成人期における効果
1-2-1. 口臭予防になる
口臭の原因はさまざまだが、よく噛む事により唾液分泌を促進させると口腔内の乾燥を改善させる他、先に述べたように自浄作用により口腔内を洗い流す効果があります。
1-2-2. 虫歯、歯周病予防になる
小児期における効果の他、よく噛む事により分泌される唾液の効果には様々なものがあります。
●細菌の殺菌や発育抑制効果がある分泌成分
免疫グロブリン、リゾチーム、唾液ペルオキシダーゼ、ラクトフェリン、ヒスタチン、分泌型IgAなど
●歯質保護作用
唾液のたんぱく質や糖たんぱく質は歯の表面に保護する膜(ペリクル)を形成し、細菌の分泌する酸から歯を守る効果があります。
●緩衝作用
お食事を摂る事により口腔内のpHが酸性に傾き歯の表面が脱灰(虫歯の初期症状)しはじめるが、緩衝作用のある重炭酸塩などが関与しpHを中性に戻す働きが起きます。
●再石灰化
酸などによって歯の表面が脱灰したところに、カルシウムイオンやリン酸イオンが再沈着して再石灰化を促進させます。
1-2-3. 食事をおいしくする
唾液の成分には消化作用のある酵素、唾液アミラーゼがある。
唾液アミラーゼはデンプンを分解させ糖に分解します。お米などのデンプンを良く噛んで糖に分解することにより、より甘くおいしく食事を楽しめます。
1-3. 小児期における効果
1-3-1. 顎の発育促進
小児期において、よく噛む事でまずは顎の発育を助けます。
これは永久歯に生え変わった後の歯並びに関係します。小さな顎に永久歯の大きな歯が並びきらないとガタガタの歯並び(叢生)になりやすく八重歯の目立つ見た目の悪い歯並びになる可能性も。
よく噛むことにより顎の発育を促し歯並びを少しでもよくする可能性を高める事ができます。
1-3-2. 虫歯予防になる
まだまだ仕上げ磨きが必要なお子様や、思春期を迎えつつあるお子様なかなか思うようにブラッシングができず困っていらっしゃる保護者の方たくさんいらっしゃると思います。
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