いつから?どのように?赤ちゃんの歯磨きを成長順に徹底解説

予防と知識

予防歯科


「いつから始めてあげればいいの?」、「どんな道具があるの?」「やってはいけないことはあるの?」と疑問に感じたり不安な点も多いと思います。まだ自分では歯磨きをすることができない赤ちゃんのうちは、大人がしっかりケアしてあげ、それを習慣づけさせることが大切です。それに、赤ちゃんもいきなり口の中に慣れない異物(歯ブラシ)が入ってくると反射的に嫌がります。そこで、赤ちゃんの歯の成長に合わせた歯磨きの方法を詳しく紹介します。

1. 最初の乳歯が生えたら歯磨きスタート(目安は6か月~1歳)

個人差はありますが乳歯が生え始めるのが生後6か月から9か月頃です。
まずはブラッシングよりもトレーニング、スキンシップから始めましょう。

1-1. まずは湿らせたガーゼを使う

乳歯が生えたからといって初めから歯ブラシでゴシゴシする必要はありません。お口周りはとてもとても敏感なので初めから歯ブラシをすると拒否反応を起こしやすいので、できたら歯が生え始める前からお口周りを触るようなマッサージをして慣らしておくのも効果的です。

1-2. まずは短い時間で磨く

歯垢(プラーク)を取るのも目的ですが、歯を磨くという行為に慣れてもらうことが一番の目的なので嫌がるところに時間をかけてする必要はありません。スキンシップの一環として一日のうち機嫌のよいときに始めましょう。

1-3. シンプルなデザインのものを選ぶ

まずは湿らせたガーゼからとお話しましたが、お口の中に歯ブラシをいれるトレーニングや歯固めを目的としてゴム製の歯ブラシで怪我や事故を予防する為に飾りの少ないものを選びましょう。のど突き防止プレート付きのもの等、安全安心に使えるものがよいでしょう。

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商品名:テテオ はじめて歯みがき STEP1
価格:480円(+税)

1-4. 無理に磨く事はしない

哺乳の時期はお口周りがとても敏感です。初めから歯ブラシでゴシゴシすると拒否反応を起こしやすいです。まず赤ちゃん自身以外の人に触れられる事になれてもらうよう、お口周りを触るスキンシップを兼ねたトレーニングから始めましょう。

2. 上下の前歯が4本ずつ生えたら本格的な歯磨き習慣のスタート(目安は1歳)

1歳を過ぎて上下の前歯が4本ずつ生えたら、歯ブラシを使った本格的な口腔ケアを習慣化させていきましょう。

2-1. 年齢にあった乳児用歯ブラシを選ぶ

1歳前後の乳児用歯ブラシは一般的にブラシの部分が小さく、毛の長さも短くなっています。乳歯は永久歯に比べ小さく、お口の中も狭いのでブラシは小さめの方が磨きやすいです。ご家族の方が仕上げで使いやすいように持ち手が長いものもよいでしょう。
仕上げの際は寝かせ磨きで、力加減はなるべく優しく。また歯磨きを毎日の習慣として受け入れやすくする為にもご家族が歯磨きしているところを見せてあげるのもよいでしょう。

2-2. 長時間磨く必要はありません。

歯磨きは嫌な事と思わせないように無理やり押さえつけて磨く必要はありません。かといって磨かないのではなく歯を磨く事は気持ち良い事と思ってもらえるように少しずつ馴らしましょう。歌をうたうなど楽しい時間である事を演出する事も効果的です。

2-3. 成長に合った歯ブラシを選びましょう

市販のものなら0歳から3歳用や乳歯期用と書いてあるものを選びましょう。歯科医院で購入する場合は、お子さんの年齢を伝えて乳歯萌出期用など年齢を考慮した歯ブラシを選んでもらうとよいでしょう。ブラシの固さはなるべく固くなく柔らかめのものを選ぶことも痛がらせないポイントです。

2-4. 歯磨きを楽しみましょう

歯を磨いてくれるご家族の表情などお子さんはとても敏感です。ご家族で楽しく気持ちよく歯磨きを習慣化させましょう。一緒に歯磨きをしたり、音楽に合わせて歯を磨くことを楽しむと習慣化していきます。

3. 虫歯リスクが高まる奥歯が生えるころは磨き方を変える(目安は1歳半)

1歳半むかえる頃には乳臼歯が生え始めます。この頃にはお子さん自身が歯ブラシを持ってお口に入れて磨く事が理解できているとよいですね。上手に磨けなくてもまずはお子さんに自分磨きをしてもらいその後に仕上げをするようにしましょう。

3-1. 使いやすく嫌がりにくい歯ブラシ

あまり硬めの歯ブラシだと痛がりやすく痛がってなかなか上手に磨けないので柔らかめで持ち手は握りやすく太めのもの、毛先はフラットでギザギザしていないものが効率よく磨けます。

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販売:ライオン
商品名:こどもハブラシ 0-3才用(やわらかめ)
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3-2. まずは一日1回は磨くこと

まだまだ歯ブラシに慣れておらず嫌がるお子さんもたくさんいらっしゃると思います。理想と しては毎食後磨けるとよいのですが、まずは一日に3回磨く事よりも一回の歯磨きでしっかり汚れを落とす事を意識しましょう。就寝中細菌が繁殖しやすいので、まずは寝る前にしっかり磨くことから。とくにこの頃から奥歯が生え始めるので奥歯の噛み合わせの部分や上の前歯など虫歯になりやすいので虫歯になりやすい所を重点的に磨きましょう。

3-3. お子さん用と仕上げ用の2本の歯ブラシを用意する

まずお子さん自身で磨いてもらってから仕上げをするようにとお話しましたが、まだまだ上手に磨けないので力が入ってしまったり歯ブラシを噛んでしまったりでお子さん用の歯ブラシは毛先が広がりやすいです。広がった歯ブラシでは汚れをとる効果が下がるので別に仕上げ用の歯ブラシを準備しましょう。

3-4. 上手に磨けたら褒めましょう

お口があけられたら「お口あーん上手だね、よく見えるよ」、歯ブラシをもってお口に入れられたら「わぁ上手に歯磨きできてるね~ぴっかぴか」など声かけをして褒めてあげましょう。たとえ上手に磨けていなくても歯を磨くんだという事が理解できてくれば上出来です。いやいやの時期など磨かせてくれない時もあると思いますが根気よく、お子さんのお口の中を守ってあげられるのは一番近くにいるご家族なのです。歯磨きは気持ちよくて楽しいものと思えるよう歯磨きの後はたくさん褒めてあげてください。

3-5. 母子感染の予防

乳歯の奥歯が生えてくる1歳半から3歳頃は感染の窓と呼ばれ、ミュータンス菌(虫歯菌)が感染しやすい時期です。歯の生えていない乳児にはこの細菌は検出されませんが、お母様やご家族などスキンシップから感染すると言われています。お子さんの口腔ケアも重要ですが、ご家族の口腔ケアも重要です。ご家族の方も定期的に歯科受診をしクリーニングを受ける事も大切です。

4. すべての歯が生えそろうまでが要注意(目安は2歳半)

乳歯は永久歯よりも歯の表面のエナメル質の厚みが半分ほどしかないので虫歯になりやすく、進行しやすいです。さらには虫歯が大きくなるまで痛みが出にくいので仕上げ磨きは歯を磨く事プラスお子さんのお口の中をしっかりと観察してあげてください。

4-1. 歯磨き粉を使ってみましょう。

歯ブラシで汚れを取る事にプラスして虫歯予防のためにフッ素入りの歯磨き粉を使いましょう。市販の歯磨き粉はほとんどのものがフッ素配合だと思います。購入の際は子供用の歯磨き粉を選びましょう。

4-2. 1日3回毎食後の歯磨き

お子さんが小さいうちは歯磨きに慣れてもらう事が目的でしたが、この時期のお子さんはとても 虫歯になりやすい時期です。お食事の内容も豊かになり、おやつなどを食べるようになると虫歯のリスクも一気に上がります。1日3回を目安にと書きましたが回数を増やす意味としては汚れを落とす機会を増やすという事です。歯の汚れである歯垢(プラーク)は細菌のかたまりです。虫歯のリスクを下げるには細菌の数を減らす事が大切なのです。1日3回の歯磨きは細菌を減らす機会を増やすととらえましょう。

4-3. 歯磨き粉の選び方

歯磨き粉に配合されるフッ素はフッ化ナトリウム(NaF)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)、フッ化第一スズ(SnF₂)があります。フッ素濃度の目安は3歳頃まではNaFで500ppm、6歳頃まではNaF500ppm、MFP1000ppmの歯磨き粉を選ぶとよいです。
※フッ化第一スズは成分中のスズが細菌の活動を弱める作用があり、磨き残しの多いお子さんに適していますが、スズが歯に着色しやすいです。

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4-4. 仕上げは必ず!

自分磨きの後には必ず仕上げをしましょう。まだまだ上手に磨けないので仕上げをする際は虫歯のリスクが高い所、噛み合わせの面、フロスで歯と歯の間を磨いてあげましょう。ブラッシングの力が強かったり唇を押さえる力が強いと嫌がります。仕上げ磨きの時は歯ブラシは鉛筆持ちで軽く握り優しく磨いてあげましょう。

5. 初めての歯科検診は1歳半

1歳半から3歳までは感染の窓と呼ばれとても母子感染のリスクが高い時期だと書きました。上下の前歯が生えそろい奥歯が生えてくると虫歯のリスクが高まります。その機会にかかりつけ歯科医院を作り定期的に虫歯のチェックやブラッシング指導をしてもらいましょう。

まとめ

赤ちゃんのお口の中を虫歯から守ってあげられるのは一番近くにいるご家族です。
以前よりもお子さんの口腔ケアに興味を持っていただけているご家族はたくさん増えたように思いますし、虫歯の罹患率も下がってはいます。ですが、いまだ現状としてはすごく虫歯が少なくいい状態のお子さんもたくさんいますが、乳歯がボロボロの状態でほとんど虫歯になってしまっているお子さんもたくさんいます。大人でも虫歯治療の好きな方はいらっしゃらないと思いますが、お子さんは更に敏感です。「虫歯になり痛い思いをした」は経験となり積み重ねで歯科受診離れを起こしてしまう可能性もあります。その結果、大切なお子さんが将来的に歯がボロボロで、詰め物、かぶせ物、入れ歯等・・・そんな状態にはなってほしくはないと思います。なるべく小さなうちから歯を磨く事を楽しく習慣化させてあげる事が重要です。それでも虫歯になってしまった場合は、たとえ乳歯の虫歯でも永久歯に影響を与える事もありますので早めに歯科を受診しましょう。

鎌田 瑞乃
Author: 鎌田 瑞乃(歯科衛生士)



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