虫歯予防に効果的な歯磨き粉はどれ?選び方とオススメを紹介

数ある歯磨き粉の中から、虫歯予防に効果のある歯磨き粉を選ぶには何を基準にしたらいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。虫歯予防は、歯ブラシの技術も必要ですが、虫歯予防に効果のある成分配合の歯磨き粉を選ぶことで症状の軽減や予防対策のひとつになるといえます。

今回は虫歯予防に焦点をあてた歯磨き粉の選び方についてご紹介していきます。

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1.  医薬部外品の歯磨き粉を選ぶ

歯磨き粉には大きく分けて「医薬部外品」と「化粧品」の2種類ありますが、虫歯予防の効果を期待する場合には、医薬部外品の歯磨き粉を選びましょう。

医薬部外品の歯磨き粉は薬用成分が配合されている歯磨き粉で、フッ素が配合されていて、虫歯予防に効果的です。また、炎症を抑える働きもあるため、歯茎の腫れや虫歯の症状がでている人におすすめです。

薬用歯磨き粉として認められている薬用成分は、歯磨き粉に掲載されている薬用成分を参考にしてください。

効能・効果該当成分主な薬用成分(代表例)配合濃度(%)
むし歯の発生及び進行の予防13成分フッ化ナトリウム
モノフルオロリン酸ナトリウム
0.02~0.21
0.07~0.76
歯周炎(歯槽膿漏)の予防20成分ε―アミノカプロン酸
グリチルリチン酸
β―グリチルレチン酸
塩化ナトリウム
酢酸dl―α―トコフェロール
0.006~0.2
0.01~0.22
0.0063~0.2
5.0~
0.05~1.0
歯肉炎の予防35成分イソプロピルメチルフェノール
塩化セチルピリジニウム
トリクロサン
アスコルビン酸
0.02~0.1
0.01~0.05
0.02
0.01~
歯石の沈着を防ぐ7成分ゼオライト
無水ピロリン酸ナトリウム
リン酸三ナトリウム
ポリリン酸ナトリウム
1.0~
0.1~
0.01~
0.01~
口臭の防止35成分ラウロイルサルコシンナトリウム
銅クロロフィリンナトリウム
ヒノキチオール
塩化リゾチーム
0.1~0.5
0.005~0.15
0.01~0.2
0.05~4.0
タバコのヤニ除去15成分ポリエチレングリコール
ポリビニルピロリドン
ポリリン酸ナトリウム
0.5~
0.05~
0.01~

(ライオン株式会社 HPより引用)

2. フッ素の入った歯磨き粉を選ぶ

2-1. 市販の90%以上がフッ素配合の歯磨き粉

現在、市場に出回っている歯磨き粉の90%がフッ化物配合なので手軽にフッ化物を利用できるようになってきました。フッ化物配合歯磨剤は医薬部外品として位置付けされます。配合フッ化物は「フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP) の3種類が承認されていますが濃度は日本の薬事法で1000ppm(0.1%)以下と規定されています。

日本では一部諸外国とは違い水道水へのフッ化物投与も実施されていませんし、フッ化物の錠剤もない。フッ化物含有歯磨剤は手軽に日常利用できるフッ化物供給源になります。

2-2. 歯磨き粉の成分表を確認しましょう

歯磨き粉の成分表示に薬用成分としてフッ化ナトリウム・フッ化スズ・モノフルオロリン酸ナトリウムの、いずれかが表記されていましたらそれはフッ化物含有の歯磨き粉です。

おすすめ歯磨き粉
商品名:チェックアップ 販売:ライオン

01

タイプソフトペースト(低研磨・低発泡・低香味)
薬用成分950ppm F(NaF[フッ化ナトリウム])
香味マイルドピュアミント
容量120g
価格(税抜)500円

02

タイプソフトペースト(低研磨・低発泡・低香味)
薬用成分950ppm F(NaF[フッ化ナトリウム])
香味ストロベリー/アップル/グレープ
容量60g
価格(税抜)250円

3. フッ素配合がよい理由

3-1. 小さな虫歯を治してくれる(再石灰化促進)

口の中は食事のたびに虫歯菌が出す酸によって口の中が酸性になり、歯はその影響を受けてカルシウムやリンが溶けだします。(脱灰)これが虫歯のはじまりです。ところが唾液は弱アルカリ製で分泌されるほど口の中を中和して酸性だったpHをアルカリ性に近づけていってくれます。これを再石灰化といい、私たちの口の中は常にこの脱灰と再石灰化を繰り返しています。虫歯になるのはこのバランスの崩れによるものです。溶けだした歯を修復する際に唾液がフォローしてくれるのですがそこにフッ化物イオンがあると溶け出したミネラルを歯に戻してくれやすくなります。

3-2. 歯を強くする

歯の白い所はエナメル質いい、ハイドロキシアパタイトと呼ばれる成分で組成されています。フッ素の存在があるとこのハイドロキシアパタイトはフルオロアパタイトで構成されてゆくようになります。再石灰化が起きるとエナメル結晶のいくつかフルオロアパタイトは酸に強く、脱灰されにくい。強い歯をつくります。

 3-3. 虫歯菌の活動を弱める。

フッ化物により虫歯の原因菌が影響を受けて酸を産生しにくくなる。口の中の酸の量を減らす役目もしてくれます。

4. フッ素配合歯磨剤の効果的な使用方法

4-1. ブラッシングの回数

1日2回以上フッ素配合の歯磨き粉を使用して歯磨きをしてください。お口の中にフッ素が行き届く回数が多いほど、虫歯予防の効果が期待できます。

4-2. 継続的に使用すること

1ヶ月以上続けて使用することで虫歯予防の効果が期待できます。1週間だけ短期的に使うのではなく、日頃から虫歯予防のためフッ素配合の歯磨き粉を週間化しましょう。

4-3. 歯磨きの時間

歯磨きは何分くらいすればよいかというと、5分くらいです。それは1本の歯を約10回程度磨いた時に、全体を磨くのに5分かかるからです。時間よりも全部の歯がきちんと磨けているかが大切ですので、時間があくまでも目安に考えてください。

4-4. 寝る前の使用が効果的

寝ている時に、体は作られると同じように、お口の中も虫歯菌も活動的になります。なので、寝る前に虫歯予防のフッ素を使うことで、虫歯菌の活動を抑えてくれます。

4-5. 適切な使用量

フッ素の配合の歯磨き粉は、1回0.5g以上を使用することで効果があると言われています。年齢によって適正使用量が異なりますので、歯ブラシに乗せる量を参考にしてください。

03
(写真:株式会社ライオンより引用)

4-6. 仕上げは少量の水ですすぐ

歯磨きの後は、しっかりとすすぎをしたくなりますが、フッ素入りの場合は、少しお口の中にフッ素が残る程度に少量の水で回数は少なくすすぐことをおすすめしています。まったくすすがない状態だと、歯磨き粉が残ってしまいますので、少量の水、50ccくらいで、1回すすぐ程度でフッ素をお口の中に残すことを意識してください。

4-7. 歯磨き直後の飲食は避ける

歯磨きの後すぐは、30分くらいは食事や飲み物を控えましょう。フッ素がお口の残っている状態ができるだけながく続いた方が、虫歯予防の効果が期待できるからです。せっかく、歯を磨いたのだから、ジュースやお菓子を食べるもの、30分くらいが我慢して虫歯の予防をしていきましょう。

5. ミネラル成分の入った歯磨き粉を選ぶ

5-1. ミネラルが必要なのは再石灰化のため

私たちの口の中は食べ物を摂取するとその中の糖分で細菌が酸を放出し、口の中が酸性になります。そこで脱灰という歯の表層が溶け始めるのですが唾液の働きがあり、カルシウムやリンなどのミネラルが存在すると再石灰化を助けてくれる働きがあります。フッ素と並んで積極的に取り入れることをおすすめしています。

5-2. ミネラル成分の表示方法

歯磨き粉の成分表示内に「ハイドロキシアパタイト」または「CPP-ACP」(リカルデント)などの表示のあるものはミネラル成分が入っている歯磨き粉です。

ミネラル高配合の歯磨き粉

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アパガードリナメル  2380円
ピカキッズ(小児用) 918円
販売:オーラルケア (フッ素無配合)

歯科医院専売品でナノ粒子のハイドロキシアパタイトで歯の再石灰化を促進。歯の面のミクロの傷を修復し、細菌吸着効果で磨きにくい歯並びの悪いところ、被せ物の入っているところなど、柔らかいペーストが口の中の隅々に行きわたります。

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商品名:MIペースト
販売:GC
価格:1700円(フッ素無配合)

成分のCPP-ACP(リカルデント)はフッ素との併用で効果を発揮します。フッ化物含有歯磨剤で歯磨きを行ったあと、このペーストを塗布し、30分を目安に少量の水でうがいをします。おやすみ前の使用が効果的です。
ただし、成分が牛乳由来ですので、牛乳や乳製品のアレルギーを持っている方は使用できません。

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